風流は何処に? 石川丈山気分のはずが現場監督気分! ／ 京都市左京区 詩仙堂

前回、このブログで大阪出張に便乗し、
京都を行き、デヴィッド・ボウイ気分に浸るため
正伝寺を訪れたことを書きました。
しかしもうひとつ、どうしても訪れたいお寺があったのです。


そのお寺は、京都市左京区にある詩仙堂。
詩仙堂を訪れ、石川丈山気分にも浸りかったのです。
なので正伝寺を訪れた後は、詩仙堂に向かったのであります。





詩仙堂の庭園



詩仙堂は、左京区一乗寺にある曹洞宗の寺院。
徳川家康の家臣であった石川丈山が隠居のために
造営した山荘なのであります。

「そうだ京都、行こう」1997年
夏のキャンペーンに起用されており、印象深い寺院。
自分も花や虫たちと暮らしてみたい
と思わせるお寺なのでありました。


詩仙堂の正式名称は、凹凸窠(おうとつか)。
でこぼこした土地に建てた住居という意味らしいです。
地形そのまま名前にしちゃったのです。
フリガナがついていないと、でこぼこねぐら
と呼んでしまいそう。
ぜんぜん風流でなくなってしまうのです。



凹凸窠だけあって、詩仙堂に向かう道は坂道。
入口の門、小有洞はこぢんまりとしていますが、
いかにも趣があるのであります。





小有洞



しかし、小有洞には足場が組まれていました。
嫌な予感が。





ん、足場が



石段を上り詰めると
さらに老梅関という門があります。
老梅関をくぐれば、詩仙堂の玄関が。






老梅関




しかし、詩仙堂には足場が組まれて
風流とは言い難いブルーシートが
掛けられていたのです。
丈山気分で風流に浸るつもりが、
台無しなのであります。




ブルーシートが



拝観受付では、係の人が
「現在、改修中のため100円引きになります」と。
ラッキー！って
いやいやラッキーじゃありません。
せっかく京都まで来たのに、ガッカリなのであります。


家に帰ってから、詩仙堂のHPを確認すると、
確かに告知があったのであります。
しかし、告知はダウンロード形式の
ファイルになっており、
事前に確認した時には、面倒臭くて見てなかったのであります。

そういう重要なお知らせは、トップページに
デカデカと書いといてくれ、
と詩仙堂さんには切にお願いしたいのであります。


気を取り直して詩仙堂の中に向かうのであります。
中に入るとすぐあの庭園を見ることが出来ます。
白砂に刈り込まれたツツジが並ぶ庭園は、
なるほど風流なのであります。






風流な庭園




これが、丈山が酒を飲みながら愛でた庭か。
自分もレッドカーペットに座りながら、
風流に浸るのです。

しかし、どうしても視界の左側にチラチラ。
気付かない振りをしても視界に入るものが。
庭園の左側には、やはり足場が
組まれていたのであります。







やっぱり足場が



詩仙堂の名の由来になった、詩仙の間。
中国の漢晋唐宋の詩家36人の肖像を
壁の上部四方に掲げています。
残念ながら、撮影禁止なのでお見せできません。

この壁に肖像を掲げるスタイルが普及し、
全国の学校の音楽室に有名作家の肖像が
掲げられるようになったのでしょうか？

ベートーヴェンに至っては、
石膏像となり、
目が動くと不気味がられているのであります。




庭園に向かうのです




庭園に出て、詩仙堂を臨むと
丈山が月見を楽しんだという
嘯月楼を見ることが出来ます。
酒を飲みながら、月を見ていたのでしょうか？
自分のマンションのベランダにも
設置したいもんです。






嘯月楼




しかし、嘯月楼の横にも足場が組まれ、
ブルーシートが置かれているのであります。




やっぱり足場



詩仙堂の庭には、日本で最初と言われる
鹿威しがあります。
タイガーマスクが、総髪の武道の達人と
料亭で話していた時、
カーンと鳴ったヤツなのであります。

実際に近くで音を聞くとかなりうるさい。
鹿が驚くのも無理がないのであります。





鹿威し



詩仙堂の庭にも和み地蔵が！

最近やたら全国各地のお寺に
和み地蔵は出没し、甘えてくるのです。

地蔵と言えば、6体で出現するのが定番ですが
和み地蔵は、だいたい3体。
しかも寄り添って出現するのです。
そしてインスタにも出現するのです。

知らず知らずに、日本中のお寺が
和み地蔵に侵食されつつあるのです。




日本中にはびこる和み地蔵


石川丈山気分で
風流に浸るつもりだった詩仙堂。
しかし、改修ばかりが目につき、
残念ながら現場監督気分に。

おまけに自分の訪れた次の日が雪。
雪景色も見れなかったのです。


今度は、ぜひ改修中ではなく
新緑がきれいな時期か、
紅葉の時期に
また訪れたいのであります。