観光島の禁断の地! 煤だらけの密教寺! ／ 神奈川県藤沢市 江の島大師

京都で護摩焚きと言えば
金花山　宝泉寺なのであります。
金花山　宝泉寺は京都市右京区にある
真言宗総本山仁和寺の末寺。




数ある京都の寺の中で、なぜ護摩焚きの寺といえば宝泉寺なのかといえば、
「京都　護摩焚き」で検索をすると、
リスティング広告が出てくるからなのであります。
積極的に宣伝している努力を買って、京都の護摩焚きの寺といえば
宝泉寺と認定したいのであります。


そんな護摩焚きの寺を探しました。
見つけました。
そのお寺は、藤沢市江の島にある江の島大師。

江の島大師は、鹿児島にある最福寺の関東別院。
今まで何度も江の島には行っていますが、このお寺に行くのは初めてなのであります。
島全体が観光島である江の島において、
このお寺だけは入っていけない雰囲気を醸し出しているのであります。




江の島大師




新興宗教感が漂い、隣のお土産屋に併設された
世界の貝の博物館と同じくらい入りづらいのです。
江の島大師は宗教に勧誘されそうだし、
世界の貝の博物館は、貝のネックレスを売りつけられそうだし、
しかも世界の貝のが言いづらいのであります。



江の島大師の入り口には、立派な真っ赤な仁王像があります。
エナメル仕様なのでしょうか、テッカテカで、
それがまた新興宗教感を漂わせ、近寄り難いのであります。
敷地内のベンチで、なんの緊張感もなくポケモンGOに
興じる親子が信じられないのであります。





テッカテカ仁王


何処でもポケモンGO



江の島大師は、高野山真言宗系に属さない単立寺院。
鹿児島にある最福寺は、野球選手にも人気があり、
清原和博、金本知憲、新井貴浩などが
護摩行を行っているのであります。
強面の野球選手は、
護摩行と長渕剛が好きなのであります。

最福寺は、財務状況良好のホワイト宗教法人。
財務状況が良好過ぎて、朝鮮総連本部ビルを落札しようとした
お騒がせ宗教法人なのであります。


恐る恐る敷地内に入ってみると、
案内板にご自由にお参りください、の文字が。
意外とフレンドリーな寺なのであります。
この文字を見て、堂々と本堂に向かうのであります。




入ってもいいんです。



本堂の入り口には、たくさんの提灯が。
寄席のような雰囲気で、緊張が緩むのであります。




鈴本演芸場か



建物の中は灯りがついてなく薄暗く、ステンドグラスを通す
外の明かりだけが唯一の光源なのであります。




まるでケルン大聖堂



本堂には、赤不動と呼ばれる
本尊である不動明王像が祀られています。

高さが6mあり、
室内にある不動明王像としては国内最大なのであります。





本尊不動明王像



しかし、もともとは赤いのでしょうが、
護摩行の煤にやられて真っクロ。
シャネルズ不動になっているのであります。
しかも、本堂内は薄暗く、写真もISO感度を上げて
やっと撮れるのであります。
なので写真が粗いのであります。




本当に赤いのだろうか？



左右の脇にある三十六童子も煤でまっクロ。
天井に吊るされている提灯に至っては、
まっクロそれが提灯だとは
撮った写真を見て気付く位なのであります。
あまりの煤け具合に思わず茂木和哉で
磨いてみたい衝動に駆られるのであります。





三十六童子


提灯でした



堂内の柱もまっクロ、誰かが触れた指の痕がクッキリ。
迂闊に触れた人は、外に出てから後悔することになるのであります。




柱に指の痕が




真言系の寺なので、グッツも充実。
密教特有の五鈷杵がカッコイイのであります。
法事で数珠を持つことは一般化されています。
自分は五鈷杵を振りかざしてみたいのでありますが
菩提寺が臨済宗の自分には、叶わぬ夢なのであります。




五鈷杵がカッコイイ


護摩焚きの灰も売り物に



コンクリ造りの江の島大師の外観は、
会議場のような雰囲気。
お寺感が微塵も感じられないのであります。
一見すると、国際なんとかシンポジウムが開かれていそうで
ここが観光島　江の島であることを忘れさせます。




江の島大師の外観



しかし、観音像の後ろにはためくしらす丼の
上り旗が、ここが江の島であることを思い出させてくれるのであります。




ヤッパシ江の島はしらす丼



禁断の地に踏み込む決意で訪れた江の島大師ですが、
行ってみると意外とフレンドリー。
普通に参拝できます。
観光客も優しく迎えてくれるのです。

しかし、わざわざ護摩焚きを受けに来ている人の顔は深刻。
出入りは自由ですが、シリアスな雰囲気で護摩行が始まると
お呼びでないと気づき、
すごすごと退散するしかないのでありました。