牛に引かれて善光寺まいり。
善光寺は
長野県長野市にある7年に一度、
秘仏の本尊の代りである
「前立本尊」が公開される
御開帳が有名な寺院。
長野に行ったときに、なんとなく導かれるように
善光寺を
訪れてしまった方も多いでしょう。
そして、
善光寺を訪れた方は
極楽浄土行きの確約を
手に入れたい一心で、入場料を払って本堂下の暗黒のロの字の回廊をめぐり
御本尊様の真下に懸かる
「極楽のお錠前」に触れてくる
戒壇巡りをしてしまうのであります。
回廊の長さ、
45メートル。
その間、真っ暗闇を歩くことになり、なかなかスリリングなのであります。
長野県長野市 善光寺戒壇巡りは仏の
胎内に見立てられ、
胎内巡りとも呼ばれています。
そんな
胎内巡りを体験できるお寺を都内で探しました。
見つけました。その
胎内巡りができるお寺は、
東京都世田谷区にある
玉川大師 玉眞院なのであります。
玉川大師は、
二子玉川駅から徒歩15分。
閑静な住宅街を歩いていると
玉川大師が。
いきなり巨大な
空海上人像が塀からはみ出しているのであります。
お寺の規模に、
像のサイズが合っていないのであります。
巨大空海上人の後ろ姿
サイズ デカ過ぎなのです玉川大師の地下霊場は、全長約
100メートル。
四国八十八ヶ所霊場・西国三十三ヶ所霊場の
大師・観音像が請来され、
ここを巡るだけで
四国遍路と
西国巡礼を
したのと同じ
ご利益を得られるのであります。
霊場内には、
約300体の石仏があり、壁には
壁画が施されているのであります。
場内の様子を紹介したいのですが、痛恨の
撮影禁止。
なので
パンフを紹介させていただくのであります
古臭い写真が怖いのです地下霊場の入り口は、本堂内にあります。
地下霊場は
コンクリート造り。
ゴム草履を履いて階段を下りるのです。
階段を下るとそこは、
もう真っ暗。
地下巡礼中は
「南無大師遍照金剛」と唱えなければならない掟。
しかし、あまりの
暗闇に動揺して、
何て唱えるのか一瞬で忘れてしまうのです。
先陣を切ったため、連れのために
「次、左。今度、右」と指示を出していたところ、
「ここは修行の場所、お静かに!」と
上から係の人に
お叱りを受けてしまったのであります。
既に
唱えるべき呪文を忘れてしまった身としては、
暗闇の中を
無言で進むしかないのであります。
本堂巨大な建物の
善光寺の
戒壇巡りが
45mに対し、
玉川大師は
100m。
お寺の
規模が小さいのに、
地下霊場はやたら距離があるのです。
善光寺が口の字型でほぼ
直線コースなのに対し、
玉川大師は
曲がりくねっており、
途中
Uターンするようなカーブもあり、入り組んでいます。
しかも微妙に
アップダウンもあり、
自分がどこにいるのか判らなくなってしまうのであります。
この小さいスペースに入り組んだ通路を作ってしまう複雑なつくりは、
夜店に来るお化け屋敷や
学園祭で
学生が作ったお化け屋敷のよう。
調子に乗った学生にオッパイを揉まれないか、
男ながら
不安になってしまうのであります。
真っ暗な通路、頼れるのは壁を触る手だけなのであります。
暗闇の中、
壁づたいに歩けば、しがらみのこの街だから、強くいきなきゃと思うん
だ、
なのであります。
いや、この
地下霊場には、案内図もなければ、
SEVENTEEN'S MAPもないのであります。
寺院内の写真をお楽しみください通路の途中に何カ所か
明かりがついている場所があり、
仏像を拝むことができるようになっています。
通路の壁が
くり抜かれ、向こう側の通路にある仏像を
見ることができるところがあり、目をつぶり、拝みました。
しかし、向こう側は
通路。
目を開けると、
ヒェッ、通りがかった
老婆の姿が!
お化け屋敷の中でも、実際に
人が脅かしに来る一番怖いタイプの
仕掛けが仕込まれていたのであります。
寺院内の写真をお楽しみください長い通路を歩き終えると、最後に
銅鑼がぶら下がっている場所があります。
仕上げに
銅鑼を叩くシステムになっているようです。
しかし、最初に
「お静かに!」とお叱りを受けたため、
強く叩いていいものか
躊躇してしまい、
ミッキー吉野のように思いっきり叩けないのであります。
霊場内の銅鑼とは別の銅鑼です本堂に上がると、突然、
雅楽に使われる
笙のような音色が響き渡りました。
何なんだ、と思っていると、その音色に被せ、
法螺貝を吹きながら住職が姿を現しました。
どうやら読経の時間は、
法螺貝を吹きながら登場するみたいです。
実に
密教的な演出。
吹けよ風、呼べよ嵐に乗って登場する
ブッチャーのようなのであります。
濃い顔の銅像、誰なのか?玉川大師は寺の規模は、
善光寺とは比較にならないほど小さな寺ですが、
胎内巡りの
長さは倍以上。
そしてその
スリルに至っては、体感的には
5倍以上。
さらに
胎内巡りをすれば、
四国遍路と
西国巡礼に
いった気分にはならないけれど、同じ
ご利益を得られるのであります。
う~ん、
四国・関西を旅行した気分にはならないけれど、
確かに違う
トリップ感が味わえるのであります。
トリップアドバイザーにも教えなきゃ。
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