気分は貴船⁉ サマー・ホリディは流しそうめん! ／ 福島県福島市 吾妻庵

京都の夏は暑い。盆地の京都は、異常に暑いのです。
そんな、京都の夏の風物詩といえば川床。
かわどこなのか、かわゆかなのか、はっきりしろ！と思っていたら、
貴船はかわどこ、鴨川はかわゆかというらしいです。
憧れの川床ですが、
京懐石を味わおうとするとそれなりの出費を強いられるのであります。
しかし、そんな川床を気軽に楽しめる方法があります。
それが流しそうめんなのであります。
貴船でも、流しそうめんをやっている店があり、気軽に川床を楽しめるのであります。




京都貴船　川床



そんな貴船気分で流しそうめんを楽しめるところを探しました。
見つけました。
その場所は、福島県福島市にある吾妻庵なのであります。


吾妻庵は、東北自動車道福島西ICから約20分。
吾妻庵に向かう道は途中から曲がりくねり、
車がすれ違うのもやっとの細い道。
対向車が来ないことを願うこちらの気持ちに反し、GT－Rで流しそうめんを満喫した輩が、
帰ってきたりするのであります。

吾妻庵に到着すると、どっかの大学のサークルの団体客がいたこともあり、満席。
流しそうめんブームの到来を予感させるのであります。

自分が訪れた日は、生憎の土砂降り。
しかし、心配ご無用。吾妻庵には大きなアーチ状の屋根がついており、
こんな悪天候の日でも流しそうめんを楽しめるのです。
ザハ・ハディド案の国立競技場にも劣らない、
全天候型の流しそうめんスタジアムなのであります。




どんな天気でも流しそうめん




流しそうめん場の奥には、壮大な滝が流れており、マイナスイオンが溢れ、
貴船のように夏でも涼しさを感じさるのであります。
というか、若干、肌寒いのです。
気のせいか、なぜか滝の中に立っている陶器のタヌキのタマキンも
縮み上がってるように思えてくるのであります。





なぜかタヌキが



山の中にある蕎麦屋や食堂が、裏山に竹も生えていたので、
竹を割ってついでにそうめんを流してみましたというような
流しそうめん屋があります。
しかし、吾妻庵はそんじょそこらの
流しそうめん屋ではないのであります。
吾妻庵はテーブルの上に固定式の石造りの流しそうめんレーンを
作ってしまったのであります。
もう動かしようのない固定式の石造りの強固な流しそうめんレーンを
作ってしまうところに、
店主の「ウチは流しそうめん一本でやっていくぞ！」という
熱い心意気が伝わってくるのです。





石造りのレーン

自分が子供の頃、行った流しそうめんは、自分の席に竹のレーンが流れており、
そうめんが一玉流れてきて、
目の前のざるに落ちて終了。味気ないものでした。

それは別にして、多くの流しそうめん屋は、
係の人が「お客さん、流しますよ。」と声を掛け、
そうめんが流れてくるのを待つというスタイル。
しかし、吾妻庵の流しそうめんは、
席に通されると、塩化ビニール製の排水管から
断続的に湧き水とともにそうめんが吐き出されて、
石造りの水路を流れていくというスタイル。
そこには係員がそうめんを流している姿は見えず、
どういうオペレーションになっているのか、摩訶不思議なのです。



どういう仕組みなんだ



どのようなタイミングでそうめんが排水管から出てくるのか予想がつきません。
川上の席に座るとゴボッという音にすぐ反応できるように、
神経を研ぎ澄まさなければならないのであります。
しかし、あまり真剣に取り過ぎると川下に座っている人のもとにそうめんが流れつかないので、
ちょっと取り損ねるぐらいの大人の余裕も必要なのです。






吾妻庵の自慢は、流しそうめんだけではありません。
湧き水の中で育てられたニジマスの塩焼き、
豊かな自然の恵みであるクレソンの天ぷらも絶品。
ステーキの付け合わせとして、肉の油を吸い過ぎて
洋風お浸しのようになったクレソンは、
食べる気にもなりませんが、吾妻庵の天ぷらは
油でカリっと揚げられ絶妙な歯触りなのであります。




ニジマスと天ぷらも絶品



吾妻庵は、流しそうめんだけで十分、魅力的なところでありますが、
流しそうめん場の前のニジマス・岩魚が飼われた池は釣り堀になっており、
釣りを楽しむこともでき、ファミリーからカップルまで楽しめる場所。
営業期間は4月下旬から10月中旬、
ぜひ訪れていただきたいのであります。





釣りも楽しめるのです




しかし、流しそうめんで福島まで行けないよ、
という方もいらっしゃるでしょう。
もっと身近なところで楽しみたい、
出来ることなら自宅で楽しみたいという方もいるでしょう。
っていうか、それは自分自身のことなのであります。
そんな方に、ぜひお薦めしたい商品があります。
その商品こそ、ビッグストリームそうめんスライダー
なのであります。




ビッグストリームそうめんスライダー




このそうめんスライダー、
ウォータースライダー型流しそうめんマシン。
高低差56cm。ウォータースライダー型にすることで、
全長3.6mという長さを卓上サイズで実現しているのであります。
監修はなんと東京サマーランド。
ウォータースライダーのプロのノウハウが結集された逸品なのであります。




そびえ立つそうめんスライダー



以前よりこの商品の存在は知っておりましたが、
吾妻庵での流しそうめん体験があまりにも楽しすぎて、
ヤッパシ買うしかないでしょ、ということで購入を決意するのであります。
福島旅行を終えた翌日、売っていたドン・キホーテに向かうのであります。
しかし、まさかの売り切れ。
即、別のドン・キホーテに向かうのでありました。
ところが、そこでも売り切れ。
焦って、神奈川県のドン・キホーテ各店に在庫問い合わせの電話を入れたのですが、
どこも品切れ状態なのであります。
ならばと東急ハンズに問い合わせの電話を入れると、
その店舗も在庫なし。
ご丁寧に、他店舗にも在庫確認をしていただいたのですが、
どの店舗にも在庫はなかったのであります。
確実に流しそうめんブームは来ているのであります。
予感は現実だったのであります。

もう入手不可能か、と絶望の淵に立たされたところ、
知人が埼玉のドン・キホーテにて見つけてくれたのであります。
おかげで、埼玉から郵送で我が家にそうめんスライダーがやってきたのであります。




何とかゲット、超うれしー



このそうめんスライダー、本当に優れモノ。
スウィッチを入れると、ポンプが駆動し、水を吸い上げ、循環させるのであります。
上部に配置されたザブーンバケツに水がたまると、
鹿威しのようにバケツが倒れ、
一気にビックストリームが沸き起こり、麺を強烈な勢いで流すのであります。



ザブーンバケツがビックストリームを引き起こす



猛烈な勢いで流れだした麺ですが、クジラそうめんゲートというシステムで
勢いを殺し、すくいやすくしてくれるのです。
実に優しいシステムなのであります。




クジラそうめんゲート


そうめんスライダー、超楽しいです。
我が家で一番、購入に難色を示していたカミさんが、最もテンションが上がり、
そうめん流しまくり。
「待て、待て、待て、まだ食べてるよ！」という言葉を無視し、
わんこそば状態なのであります。




受け手のペースも考えてね



そうめんスライダー、楽しみ方はそうめんだけではありません。
ちょっとオシャレにイタリアン、流しカッペリーニにもチャレンジしてみました。
しかし、クックパッドで調べても
流しカッペリーニなんてレシピはないのであります。
カミさんにトマトソースを作らせ、オレガノを薬味にチャレンジ。
見事にカッペリーニは流れるのであります。
暑いこといいことに夏、働かないナポレターナ達にも、
ぜひ教えたいのであります。




流しカッペリーニ


ネットでそうめんスライダー購入者の話を見ると、購入にあたり、
邪魔だ、くだらないと
家族の反対にあったというコメントが多数、見受けられます。
しかし、購入者の大半は、買ってよかったと満足しているのであります。
自分も大満足なのであります。

しかし、片付けが面倒だろうという方もいるでしょう。
しかし、釣り人が釣り具の手入れを厭わないように、
車好きが洗車自体を好むように、
流しそうめんが趣味ともなると、片付けも苦にならないのであります。
むしろ水路を支える黄色い支柱にさえ、愛着を感じてしますのであります。





専用の水切りが必要か？


流しそうめん、楽しすぎて、スウィッチを切った後、
祭りの後のような虚しさが訪れてしますのであります。