この紅葉はまるで京都! ブルーヘッド仏の寺 ／東京都世田谷区 九品仏浄真寺

禅林寺は永観堂の名で知られる京都市左京区にある寺院。
本尊の阿弥陀如来像がみかえり阿弥陀と呼ばれ、有名なのであります。
古くからもみじの永観堂と詠まれ
紅葉の名所として人気のスポットなのであります。


そんな阿弥陀様も振り返っちゃうような、紅葉の美しいお寺を探しました。
見つけました。





京都　禅林寺　永観堂




そのお寺は、東京都世田谷区にある
九品仏浄真寺(くほんぶつじょうしんじ)。
九品仏は駅名にもなっていますが、
読み方が難しく、きゅうひんぶつやくしなぶつと読まれてしまうのであります。


九品仏の駅を出るとすぐに、浄真寺への参道が始まります。
なかなか立派な参道で、お寺に向かうアプローチとして気分を盛り上げてくれます。

浄真寺を訪れたのは12月上旬。総門に向かう参道脇の木も黄色く色付き、
境内で見れる紅葉の美しさを期待させるのであります。





駅を出てすぐ参道




総門に近づくと、門の中に
早くも境内のオレンジ・赤に輝く紅葉が見えているのであります。
これは期待以上に美しいのでは？
早くも気持ちが高まってしまうのであります。




総門



門をくぐって、境内に入ると、
そこにはグリーン・イエロー・オレンジ・レッドからなる
グラデーションのカレイドスコープワールドが広がっているのであります。

ここは京都なのか？
コンクリートジャングル東京にいることを忘れさせるような光景に目を疑ってしまうのであります。
So Colorful！So Beautiful！
Just like Kyotoなのであります。









まるで京都なのです




紅葉のトンネルを歩いていくとすぐ横に閻魔堂が見えてきます。




閻魔堂


閻魔堂の中に入ると右手には奪衣婆（だつえば）像が置かれています。
奪衣婆は、三途川の渡し賃である六文銭を持たずにやってきた
亡者の衣服を剥ぎ取る老婆の鬼。
遊郭にいるボッタックリやり手ババアのような存在なのです。

徳川家康を恐れない智将　真田幸村も
奪衣婆を恐れ、六文銭を旗印にしてしまったのであります。




奪衣婆



閻魔堂の正面には、出ましたドロロン閻魔大王！
いきなり顔が怖いのであります。
その形相は、ブラック企業の面接官。
いきなり圧迫面接を仕掛けてくるのであります。


奪衣婆に身ぐるみ剥がされ圧迫面接を受けた日には、
やってもいない罪を認めてしまうのであります。
自分が死ぬ前に、地獄界にもコンプライアンスが導入されることを
地獄の使者　ジーン・シモンズに懇願したいのであります。
間違ってもエリック・シンガーに頼んではならないのであります。
猫メイクではまったく説得力がないのであります。


俗説では奪衣婆は閻魔大王の妻とも言われいます。
閻魔堂ではオフィスラブが繰り広げられているのであります。
ヤッパシ、地獄界にはコンプライアンス導入が必要なのであります。




閻魔大王




閻魔堂を出てさらに進むと仁王門が見えてきます。
これもまた立派な門なのであります。
お寺の入り口にあるならまだしも、
境内にこんな大きな門があるとは全く予想外で、
驚いてしまうのであります。







仁王門




仁王門を過ぎると本堂が見えてきます。
本堂内には、本尊である見事な釈迦如来像が鎮座しています。
先ほどまで身ぐるみ剥がされ圧迫面接を受けていた身にとっては、
まさに地獄に仏。
その安らかな顔が安堵感を与えてくれるのであります。






本堂　本尊　釈迦如来像



本堂からは、枯山水庭園も見ることが出来ます。
しかし、この枯山水は背後が通路になっているために、
本人に悪意がなくとも、通りすがりのオッサンが借景となってしまい、
雰囲気台無しなのであります。
ヤッパシ、枯山水庭園はシッカリ塀で囲って
小宇宙仕様にしてもらいたいのであります。








枯山水




本堂の対面には3つの阿弥陀堂があります。
上品堂(じょうぼんどう)、中品堂、下品堂と呼ばれ、
それぞれ3体ずつ印相の異なった阿弥陀如来像が安置されているのです。

上品上生(じょうぼんじょうしょう)、上品中生、上品下生、中品上生、中品中生、中品下生、
下品上生、下品中生、下品下生と名付けられ阿弥陀仏像は、
浄土教における極楽往生の9つの階層表しているのであります。
これらをあわせて九品と言い、
九品仏浄真寺の名の由来となっているのであります。

このような九体阿弥陀があるのは、
浄真寺以外では京都の浄瑠璃寺だけなのであります。







三つ並ぶ阿弥陀堂




三仏堂は中央にある上品堂のみ開かれており、内部を見ることが出来ます。
中を覗くと3体の阿弥陀仏が鎮座していました。

その仏像は頭が真っ青！ブルーヘッド仏なのであります。
浄真寺の阿弥陀仏は、螺髪がブルー。
青がVIVIDでPOPな仏像なのです。

しかし、このVIVIDなブルーにはちゃんと意味があるのです。
仏の身体的な特徴を表した三十二相というものがあり、
その中に毛の色は青瑠璃色である、とあるのです。

POPだという理由だけで、ジギー・スターダストやってた時の
デビッド・ボウイのように髪の毛をオレンジにしてはならないのであります。







VIVIDなブルーヘッド仏











浄真寺のある九品仏駅は自由が丘の隣の駅。
そんなコジャレた街のすぐ隣に、
こんなに穏やかな場所があるとはホント驚きなのであります。
浄真寺は紅葉が美しく、立派な仁王門も、枯山水庭園も、
おまけにブルーヘッド仏もおり、
全く都内にある寺院とは思えないのであります。

都内にありながら、ここだけ別世界。
まるで東京都内のバチカン市国なのであります。
3年に1度、ブルーヘッド仏の仮面を被った人がねり歩く、
お面かぶりという気持ち悪い宗教行事も行われるので、
ぜひ訪れていただきたいのであります。