桜満開！ エースになれないコンクリ城 ／ 小田原市 小田原城

伏見城は、豊臣秀吉が隠居後の住まいとするために建てた城なのであります。
その後、徳川家康の居城になったりもしましたが、
江戸時代に廃城になっているのであります。

現在の伏見城は、1964年（昭和39年）に遊園地「伏見桃山城キャッスルランド」が
建設された際に、遊園地の売りとして作られたコンクリートの5重6階の大天守と
3重4階の小天守からなるツインタワー模擬天守なのであります。

しかし、不況の影響で2003年に「伏見桃山城キャッスルランド」が閉園になり、
伏見城も取り壊される話が出て危うく二度目の廃城の憂き目に遭うところでしたが、
市民の要望により、伏見のシンボルとしてなんとか残されることになったのです。
ディズニーランドが潰れて、シンデレラ城だけが残ったようなものなのであります。

ただし現在、模擬天守は耐震基準を満たしていないことから立ち入り禁止になっており、
城主不在の城となっています。
伏見のことも夢のまた夢なのであります。


そんな伏見城ですが、日本史上、最も花見を愛した男　豊臣秀吉の
居城に相応しく、桜の木がたくさん植えられており、人気の花見スポットなのであります。
コンクリートであっても、やっぱし桜とお城のマッチングは最強であり、
日本人の琴線にビンビン触れまくるのであります。




京都　伏見城



そんな桜がよく合うコンクリ城を探しました。見つけました。


そのコンクリ城は、小田原市にある小田原城。
3重4階のリッパなコンクリ城なのであります。





小田原城




小田原城は、戦国時代の後北条氏の本拠地として有名であり、
後北条氏没落後は大久保氏によって統治されたのであります。

現在の天守は1960年(昭和35年)に小田原市制20周年記念に作られたものであり、
伏見城とほぼ同期生なのであります。
(平成9年)に復元された銅門（あかがねもん）もリッパなのであります。





銅門




小田原城もやはり桜の名所であり、桜の季節は花見客で賑わっています。
お堀の周りは桜が満開、桜のアーチになっているのであります。








桜満開のお堀




城内に入ると、何やらイベントが行われていました。




城内入口



そう、小田原城では、毎年、花見の時期に合わせておでんサミットが開催されるのであります。
おでんサミットは、小田原おでんをはじめ、全国各地の名物おでんが小田原城に集結するイベント。
まるでおでんの大政奉還なのであります。
それを目当てに、チビ太みたいなおでん好きが集まってくるのであります。




おでん好きの聖地と化す二の丸広場



自分が訪れた日は、どんよりとした曇り空。
絶好のおでん日和なのでありました。
どこのおでんも甲乙つけ難い。というか基本どこでもおでんはおでん、変化は乏しいのでは？
異彩を放っているのは、若狭のトマトおでん。
ブイヤベースに練り物をぶち込んだ感じ。
これはおでんのカテゴリーに入るのだろうか？




常盤木門（ときわぎもん）を抜け石段を登り切ると、天守が鎮座しています。




常盤木門


天守の前には、桜が咲き乱れ、実に日本らしい風景なのであります。
やっぱり桜には、シンデレラ城より素材はコンクリートでも
日本のお城が似合うのであります。













小田原城のお土産屋には、お城に相応しくウッスラ埃をかぶった
日本の名城トランプが売られていました。
城好きなマッチョドラゴン・藤波辰爾も
熱い一人の城好きの男を育て上げた吉田栄作の父親も
思わず買い占めたくなる逸品なのであります。




日本の名城トランプ


52枚とジョーカーそれぞれに全国各地の名城がプリントされているのであります。
小田原城はハートの５、
コンクリ城はやはりエース扱い　されていないのであります。

日本の名城トランプにはご丁寧に城の解説書もついており、
解説書には訪れた城をマークするチェックシートも記載されているのでありあます。
このトランプさえ持っていれば、移動中、暇することもなく全国の名城を巡ることができるのであります。



行ったお城には○をつけるべし


このトランプでポーカーをすれば、エースのフォーカードも
大瀧詠一もビックリの
姫路城/松本城/名古屋城/熊本城のフォーカードとなり、
普通のトランプより強力な決まり手に思えてくるのです。

相手にこんな決まり手を出された日には、柴田勝家のように切腹して
相手にハラワタを投げつけたくなる気分になってしまうのであります。



姫路城/松本城/名古屋城/熊本城のフォーカード


川之江城/丸亀城/高知城/大阪城/熊本城のロイヤルストレートフラッシュ、最強です



しかし、このトランプで神経衰弱をすると、どのカードにも似たような城が載っているため、
区別がつかず全く記憶することができず、永遠に終わらない気分になり、
ナーバスブレイクダウンなのであります。




小田原城と金沢城、覚えられないっつーの


こんな愛すべき小田原城ですが、
平成27年7月1日から平成28年4月30日まで耐震工事のため、公開中止になってしまうのです。
昭和30年代建築のコンクリ城はどこもかしこも
耐震対策に頭を悩ませているのであります。




小田原城天守



小田原城天守に上るのも
天守のお土産屋で日本の名城トランプを買うのも
6月中がタイムリミットなのです。
急げ！　RIGHT NOW！

まぁ、天守下のお土産屋でも売ってますが、自分が買ったため、在庫は2個なのであります。